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【発表間近】新しいiPadを買う「理由」ってなに?

もし噂が事実なら(そして噂は、たいていの場合事実になるが)、アップルは新しい9.7インチのiPadを発表しようとしている。またiPadだって? あの、毎年出される、そして売り上げがまるで泥沼にはまった馬のように沈みこんでいるやつ? おおかたその通りだが、今回は少し違う。

新しいiPadは「もっと小さなiPad Pro」あるいは「iPad Air 3」と呼ばれることになるのだろう。伝えられるところによると、デザインの大部分は12.9インチのiPad Proを踏襲しており、4つのスピーカーが搭載され、同じくらいハイパフォーマンスで、同じくらい気の利いたマグネット式アクセサリーコネクターやキーボードケースがつくのだろう。カメラ用フラッシュも搭載され、Apple Pencilを搭載するとすら言われている。ここまでは、ほとんどiPad Proと同じだ。しかし、2つの点で異なっている。そこまで巨大ではなく、そこまで高価でもないだろうということである。

アップルが目指す2つのゴール

アップルは、この新しいiPadで2つの目標を達成しなくてはならない。その2つはいずれも、同じくらい重要であり困難なことである。新しいタブレットは「タブレットが生産性に寄与するデヴァイスであることを世界に認めさせなくてはならない」。そして、それは「既存のiPadユーザーが買い替えようとするものでなくてはならない」のだ。

ここ数年、実際にアップルがしてきたことといえば、もともと薄いデヴァイスをさらに薄くすることと、新しいカラー展開を追加することだった。これでは、さほどアップグレードとはいえない。

Localyticsによる分析では、2015年11月においてすら、最も利用されているデヴァイスは11年3月にローンチされた「iPad 2」だったという。iPad 2がとても優れたタブレットであればこそ、ユーザーは果たしてアップグレードするものだろうか? (リリースされるであろう)スタイラスやキーボードを備えた新しいiPadは、彼らが愛するタブレットの真の改良版だと感じられるかもしれない。

アップル伝統のやり口では、彼らはまずハイエンドモデルに新しい機能を導入し、そしてそれを下位モデルにトリクルダウンさせる。2015年9月、アップルはiPad Proでしか使えないiOSの新機能をいくつか発表した。調査会社IDCのタブレット調査ディレクターであるジャン・フィリップ・ブシャールによると、その傾向は新しいデヴァイスでも続きそうだ。

ブシャール氏は、目下のところ「人々がアップグレードする理由がありません」と言う。「なぜならハードウェアの革新はなく、古いタブレットにも常に最新のOSをインストールできるからです」

だからこそ、今回は、新しいハードウェアが発表されるのに加え、最新・最高のデヴァイスでしか利用できない新たなキラーソフトウェアが登場する可能性がある。「古いiPadでも最新のiOSを動かせるというのはいいことではありません」とブシャール氏は指摘する。「それはユーザーにとってはいいことです。が、[アップルにとっては]よくないのです」。つまり、計画された陳腐化が戻ってくるということだ。そして、それがiPadに襲いかかろうとしている。

それはまだ明確でないとしても、そんな未来は見えている。「iPad Air」」や「Mini」は、iPadの未来ではない。すべてがProに向かっている。

「タブレット」だけでは売れない

「純粋なスレート、つまり画面だけのデヴァイスは、縮小しつつある市場であり、あまりうまくいっていません」とブシャールは言う。一方でリサーチャーらはいわゆる“デタッチャブルPC”には明るい見通しをもっている。iPad Proや「Surface Pro」のようなデヴァイス(ラップトップとタブレット両方の機能をおおよそ兼ねる)の売り上げは、2015年には100パーセント増加し、今年は75パーセント増加すると考えられている。

「“生産性”に焦点を当てたコンピューターデヴァイスには、確かなニーズがあります」。すでに広く報じられているように、ラップトップ、タブレットのいずれも死を迎えつつある。そしてそれら両方を置き換えるものが、その燃え尽きた灰のなかから生まれてこようとしているのである。

業界の多くが同じ考えのようで、その製品群は画面だけしかないタブレットから、モジュール式のデタッチャブル・デヴァイスにシフトしている。iPad Proを発表したとき、CEOのティム・クック自らそれを「パーソナルコンピューティングについてのわれわれのヴィジョンを最も明確に表現したもの」と呼んだ。しかしその考えは、彼だけのものではない。タブレットの売り上げは落ち目だが、マイクロソフトからインテル、ファーウェイ、グーグルまで、すべての企業がこれら大きな携帯スクリーンにまだ命が残されているとして、そこに賭けている。

Proの発表から数カ月が経ったいまですら、キーボードショートカットをサポートしていないiPadアプリやApple Pencilでの入力をサポートしていないiPadアプリがあまりに多くある。既存アプリのプロ版を開発すらしていないデヴェロッパーも多いようだ。なぜだろうか。iPad Proがニッチなデヴァイスだからである。いま、人気の高いiPadはといえば、AirかMiniだ。アップルはこれを変えようとしている。

アップルがiPadをわかりやすく生産性に貢献し“プロ”のためのデヴァイスにするのは、確かに先見的だ。そしてこれは同時に、スマートフォン世代に対して、大型画面にすべき何かしらの理由を提示しようとする捨て身の試みでもある。新しいiPad Proは、あなたが必要だと思ってもみなかったデヴァイスになるのかもしれない。あるいは、人はそんなものを必要としていないとアップルに認識させるのかもしれない。



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未来の必須科目、「正気と狂気」のビジネスデザイン:イノヴェイションの仕掛人、濱口秀司が「WIREDの学校」で教えてくれること

濱口秀司|HIDESHI HAMAGUCHI
京都大学卒業後、松下電工(現パナソニック)に入社。研究開発や全社戦略投資案件の意思決定分析担当などを経て、98年に米デザインコンサルティング会社Zibaに参画。パナソニック電工新事業企画部長、パナソニック電工米国研究所上席副社長、米ヴェンチャー企業のCOOなどを歴任。2009年、ZibaにDirector of Strategyとしてリジョイン。13年、Zibaのエグゼクティヴフェローを務めながら、自身の「実験」会社、monogotoを米ポートランドに立ち上げ、ビジネスデザイン分野にフォーカスした活動を行っている。東京大学i.schoolエグゼクティヴフェロー、慶應義塾大学大学院SDM特別招聘教授。京都大学デザイン学特命教授。大阪大学医学部招聘教授、ドイツRedDotデザイン賞審査員。

USBフラッシュメモリの発明、日本初の商用イントラネットの開発、イオンドライヤーの発明…。世界中で“0から1”のスイッチを押し続けることを仕事にしているイノヴェイションの仕掛人にしてビジネスデザイナー、monogotoのCEO・濱口秀司。

イノヴェイションには「再現性がある」と言い切る彼は、これまでTEDを始めとしたさまざまな場で講演を行ってきた。そんな彼が次に教鞭を執るのは、この4月に開講する「WIRED Business Bootcamp」だ。課題とワークショップを通し、アウトプットを重視した彼の講義テーマは、「イノヴェイティヴなビジネスデザイン」である。

関連記事同じく講師を担当する予防医学者・石川善樹は、何を教えてくれるのか?

いかにして優れた、イノヴェイティヴなビジネスをデザインできるか。それはビジネスパーソンにとって重要な資質であり、労働市場で重要視される価値でもある。しかし一方で、エスノグラフィックリサーチやブレインストーミング、ラピッドプロトタイピングをつかった「デザイン思考」、事業分析や戦略マップ、ロジックツリーなどを使った「ロジック思考」など、アイデアとツールは身の回りに溢れている。

ビジネスパーソンはいま、一体何を手にして戦うべきなのだろうか? その答えに、濱口は「正気な狂気」であると回答する。

40名限定!「WIRED Business Bootcamp」受講者、募集中

『WIRED』日本版とデジタルハリウッドが、20〜30代の次世代を担うビジネスパーソンに向けて提供する「WIRED Business Bootcamp」。半年にわたって開催されるプログラムでは、「データ」「コミュニティ」「メディア」「ストーリー」そして「デザイン」の5分野の最先端にいる講師陣が、それぞれの専門領域をテーマに連続3回の講義とワークショップを行う。

BBC、受講者向け説明会の実施スケジュール

申込みの締切は2016年3月31日。受講するには、3月中に開催される説明会への参加が必須となる。説明会の日程およびプログラムの詳細は、以下および、WIRED Business Bootcampサイトにて。

・3月13日(日)13:00〜14:30/申込みはこちらから
・3月26日(土)14:30〜16:00/申込みはこちらから

──いま、ビジネスパーソンが、イノヴェイションを次々と起こし続けるマインドセットになるにはどうすればいいのでしょう?

濱口秀司(以下H):ぼくがいまのビジネスパーソンに必要だと感じているのは〈狂気〉です。ぼくはイノヴェイションを創造するうえでは、脳が「ストラクチャード・ケイオス」というモードになる必要があると考えています。ロジカルでストラクチャーな脳でもなく、直感的でケイオスな脳でもない状態をつくること。つまり、〈正気〉と〈狂気〉が混在している状態が、イノヴェイションを生むうえでは大切です。

──「ストラクチャー」と「ケイオス」が意味するところは、本来相反するものです。両者が混在するとは、どういうことでしょうか?

H:脳が創造的になるとき、どうなっているかを説明していきましょう。まず、脳がロジカルすぎると、創造性は低下していきます。創造性の本質は既存システムの破壊にあるのですが、論理性を追求すると、自分がよく理解し慣れ親しんでいるシステムを破壊しづらくなるのです。

──いわゆる「左脳派」ということでしょうか?

H:そうです。しかし、ロジカルであることを否定し、直感的で右脳的であればよいかというと、そういうわけでもありません。度が過ぎると創造性が高まらないだけでなく、ランダムな発想は統合を生みにくくしてしまいます。さらにビジネスでのオポチュニティロス(機会損失)の危険を孕みます。ただ誤解を恐れずに言えば、組織に帰属する多くのビジネスパーソンが、ロジカルでストラクチャーなマインド寄りになっている。これをもう少しケイオスの方へと振る必要があります。そのために必要なのが〈狂気〉なのです。

──それは、訓練して体得できるものなのですか?

H:トレーニングすれば可能です。実際にぼくがリードするプロジェクトでは、ストラクチャード・ケイオスを応用してイノヴェイションプロジェクトの管理をしています。

例として極端かも知れませんが、ぼくが、新国立競技場の問題を考えてみたときのことをお話しましょう。昨年12月、建築家・隈研吾の構成するチームの案で決定となった日の4日前、ぼくはあるイヴェントに参加していて、たまたま新国立競技場の問題の解決策をデモンストレーションすることになりました。普段、引き受けたプロジェクト以外のことはまったく考えないのですが、そのときは次のようなアイデアを20分で考えて、お話ししました。

会場でのプロの分析を聞いていると、新国立競技場問題はとにかく複雑かつ無茶苦茶です。「建築費が高い」「日本の信用が失墜する」「デザインが気に入らない」と問題が入り乱れるなかで、建築家が「俺だったらこうするけど?」と自分の宣伝をしている。誰も問題の解き方がわからない、ソリューション提案のない状況でした。

新国立競技場問題における、主たる問題は3つあります。1つ目はお金の問題です。最終的なザハ・ハディド案の総工費は2,651億円[編註:2015年12月22日の報道による]。当初の計画で提示されていた1,300億円を大きく上回ってしまった。

2つ目の問題は、総工費問題に伴う国民感情です。やはり2,651億円は「許せない」。総工費の金額が上がるほど、国民の怒りも膨れ上がります。

3つ目の問題は“ザハ・デザイン”をどうするか。いまでも2,651億円を出せば、オリジナルのクオリティーの建築が手に入る。総工費を下げればそれは叶いません。

──つまり、総工費を上げればザハ・デザインを採用できるが、上がるほど国民は怒る。一方で総工費を下げれば国民は納得するかもしれないが、ザハ・デザインは採用できなくなるということですね。

H:そうです。そして、みんなこの状況への折衷案を見つけようと必死になっていた。でも、見つかるわけがないんです。総工費と国民感情とデザインとが、三つ巴のトレードオフの関係になっているわけですから。最適な妥協案なんて生み出しようがない。そこにみんなで必死に「ストラクチャードな脳」で考えたのが、あの問題の混乱の源泉です。

この状況では、極端な案を考える必要が出てくるんです。つまり狂気的な発想でトレードオフを破壊するのです。狂気を使えばザハ・デザインを採用しながら、総工費を抑え、さらに国民感情もよくなる方法がつくれるのです。

考えてみてください。建築とは、極端に言えばその建築物とそれが立てられる場所とその文脈で規定されます。ザハ・デザインの新国立競技場でも、アフリカ海岸沿部でつくれば間違いなく1,300億円でつくれます。ザハ案の総工費のうちの多くは、材料費ではなく、東京都心での建築のための道路封鎖や管理などにかかる費用です。ザハ・デザインの新国立競技場を代々木につくるのは、ぼくからみるとレインボーブリッジのような巨大な橋を、都心の一等地に建てるようなものなんです。

──建てる場所を疑うという視点はなかなか思いつかないですね。

H:ところが、アフリカにつくったら東京オリンピックじゃなくなる、アフリカオリンピックになってしまう、という文脈上の問題がありますよね(笑)。そこで施設を検索してみたわけです。すると、代々木に新国立競技場、そしてお台場に選手村が建造される予定になっています。でも、考えてみてください。夜にお台場なんて、世界中から集った選手にとっては面白くもなんともないですよね? 見えるのはフジテレビの丸いボールくらいです。

もうおわかりですよね。ぼくの案は、新国立競技場と選手村をスワップすることです。

まずお台場で建造すれば、恐らく総工費1,300億円が実現します。道路封鎖等も必要なく、建築にまつわるさまざまな管理にかかる費用も激減し、建材は船で運んでくればよくなる。完成後のメインテナンスコストも劇的に減らせるでしょう。おまけに、工期も短縮できます。

さらに選手もハッピーです。代々木であれば、競技が終わった選手は、夜に渋谷の交差点を見に行くもよいし、歌舞伎町、スカイツリーとの往来も思うがままです。

そもそも、ザハの国立競技場とは違い、選手村をお台場で建てるのも代々木に建てるのもコスト的には違いがありません。マンションやビルは毎日都心で建設されており、工法や建築管理方法は確立しています。そしてオリンピック終了後は、マンションとして売るか、ホテルとして運用するか。一等地にある旧選手村のファシリティは大きな価値を生むはずで、リユースも織り込んだうえで設計すればいいと思います。

日本はその信用を失墜させずにすみ、お台場も競技場で活性化し、ザハ・デザインが都心にくることに反対する人々も納得できる方向がみえてきます。

──しかし実際のビジネスシーンでは、正しさや、もっともらしさについても考えなくてはならないのではないでしょうか? そうしたなかで、いかに突き抜けたアイデアを生み出せるのでしょうか?

H:ビジネスの発想段階では、「これは正しいか」と逐一検証しないことが大切です。「正しいかどうか」を問うた瞬間に、イノヴェイティヴな思考プロセスは破壊されると思っておいた方がいいです。まず時間がいくらあっても足りなくなります。真理を追究するのは科学者にやってもらえばいいわけです。つまり真理が解明されるのは100年後か200年後でもいい。ぼくらはビジネスに携わっているので、もっと短時間で最善のアウトプットをしないといけない。

「これが正しいのか?」とか「このアイデアは本当におもしろいのか?」と疑問をもった瞬間に止まります。なぜなら、そんなもの誰に聞いてもわからないからです。スティーブ・ジョブズに聞いたら応えてくれるかもしれないですけど、もう亡くなっていますし。だから〈正気で本質を考えてみる〉〈正気と狂気で3つくらい案を出す〉〈狂気でやってみる〉の3ステップぐらいでいいと思います。

──濱口さんがソリューションを生み出すうえで意識されていることは何ですか?

H:ぼくが出したいソリューションは、聞いた瞬間にわかることと、問題の解き方が美しいことを意識しています。monogotoでは「idea & math」という言葉で表現していますが、いいアイデアがあり、かつ優れた数学のように論理的であること。その交点が自分たちの付加価値だと思っています。

アイデアもロジックも美しい、ということにビジネスデザインの価値の源泉を移行したいと思っています。世の中のビジネスコンサルタントは「math」寄りで、デザイン会社は「idea」寄りです。そして片方だけでは答えを出せない問いが増えてきた。

一昔前は「著名ビジネスコンサルティングファームが戦略を立案しました」「有名デザイナーがデザインしました」で大体は説得できましたが、多くのクライアントが、莫大な金額と引き換えに手にしてきた、ビジネスコンサルタントやデザイン会社の出してくるソリューションが、ビジネスの解を出せていないことに気づき始めているんです。

現在受講生を募集中! WIRED Business Bootcamp

5組の豪華講師による体験型のビジネススクールを、『WIRED』日本版とデジタルハリウッドが開講!濱口が担当するのは「イノヴェイティヴなビジネスデザイン」だ。講義によってビジネスデザインに必要な理論の「ダウンロード」を行い、その後、課題やワークショップを通して理論を実践に移していく。

※ 下記日程で、説明会を開催!(受講のためには、説明会へのご参加が必要です)
・3月13日(日)13:00〜14:30/申込みはこちらから
・3月26日(土)14:30〜16:00/申込みはこちらから

定員
限定40名

対象
20〜30代の次代を担うビジネスパーソンで、新規事業の立ち上げを検討している方、もしくは新しいビジネスに興味のある方

募集期間
2016年3月31日まで

受講開始日
2016年4月15日(金)予定

講義スケジュール
全20回・4〜9月の金曜日 19:30〜21:30(一部講義は土曜日に実施)
※授業内容と合わせて後日詳細を公開します

受講料:298,000円(税別)

会場
WIRED Lab.(※ 2016年4月オープン予定)
東京都港区六本木1-3-40 アークヒルズ・アークカラヤン広場

お問い合わせ
wired-bbc@dhw.co.jp(デジタルハリウッド担当川本)



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NASAのレーザー推進なら、火星に3日で到達できる

米航空宇宙局(NASA)による現在の推測では、人が火星まで行くのに最短でも5カ月かかるという。

NASAの科学者フィリップ・ルービンは、「NASA 360」向けの動画のなかで、ひとつの可能性を述べている。「光子推進(レーザー推進)」を利用したシステムなら、わずか3日で火星まで到達できるというのだ。このシステムは、簡単に言うと、大出力レーザーを宇宙船に照射することで超高速を実現させるというものだ。

光子推進とは、光の粒子を利用して物体を動かす理論的なシステムだ。光の粒子は質量はゼロだが、エネルギーと運動量がある。そしてこのエネルギーは、物体に反射されたときに推進力に変換される。反射性のある大型の帆があれば、地表からパルス光レーザーを通じて「宇宙船を加速するのに十分な運動量を生成することが可能」になる、とルービン氏は述べている。

ルービン氏によると、このシステムなら、光速の30パーセントという「前代未聞の速度」にまで宇宙船を推進できるという。

これによって「重量100kgの無人宇宙船を火星まで3日で」送り込むことができるという。有人宇宙船の場合は1カ月程度がかかるが、現在の推定である5カ月と比べれば、かなり短い。

宇宙船に搭載する燃料がかなり少なくなり、重量や費用を最小限に抑えられるというメリットもある。

ただしルービン氏は、このシステムは無人宇宙船で最も効果を発揮すると述べている。ロボットのほうが宇宙探査を行いやすいし、この推進システムは機体が「極薄」であるほどよく機能するのだという。

現在よりはるかに高速で宇宙船を宇宙に送り込むことを目指すプロジェクトはほかにもある。米国カリフォルニア州にあるポジトロン・ダイナミクス社のライアン・ウィードは、2015年10月にWIRED UKが開催した「WIRED 2015」イヴェントで、「反物質ロケット」の開発計画について詳しく語った。「3秒で地球の周りを一周」したり、数週間で火星に到達したりできるロケットだ。

ウィード氏の唱える反物質ロケットは、陽電子と電子が衝突してエネルギーが生み出される現象「対消滅」を起こして、宇宙船の原動力にする。最大で時速1億1,600万kmの速度に達することができるという。

ウィード氏は、地球から最も近い(4光年の距離にある)恒星系ケンタウルス座アルファ星に到達することも夢ではないと語る。従来の技術を利用すると、ケンタウルス座アルファ星に行くには3万年の月日が掛かる。

※以下の動画は、ポジトロン・ダイナミクス社とウィード氏を紹介している。各惑星の軌道を回る基地から高エネルギーのプラズマビームを放射し、宇宙船を推進・減速させる磁気ビーム・プラズマ推進も研究されている(日本語版記事)。



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NASAのレーザー推進なら、火星に3日で到達できる

米航空宇宙局(NASA)による現在の推測では、人が火星まで行くのに最短でも5カ月かかるという。

NASAの科学者フィリップ・ルービンは、「NASA 360」向けの動画のなかで、ひとつの可能性を述べている。「光子推進(レーザー推進)」を利用したシステムなら、わずか3日で火星まで到達できるというのだ。このシステムは、簡単に言うと、大出力レーザーを宇宙船に照射することで超高速を実現させるというものだ。

光子推進とは、光の粒子を利用して物体を動かす理論的なシステムだ。光の粒子は質量はゼロだが、エネルギーと運動量がある。そしてこのエネルギーは、物体に反射されたときに推進力に変換される。反射性のある大型の帆があれば、地表からパルス光レーザーを通じて「宇宙船を加速するのに十分な運動量を生成することが可能」になる、とルービン氏は述べている。

ルービン氏によると、このシステムなら、光速の30パーセントという「前代未聞の速度」にまで宇宙船を推進できるという。

これによって「重量100kgの無人宇宙船を火星まで3日で」送り込むことができるという。有人宇宙船の場合は1カ月程度がかかるが、現在の推定である5カ月と比べれば、かなり短い。

宇宙船に搭載する燃料がかなり少なくなり、重量や費用を最小限に抑えられるというメリットもある。

ただしルービン氏は、このシステムは無人宇宙船で最も効果を発揮すると述べている。ロボットのほうが宇宙探査を行いやすいし、この推進システムは機体が「極薄」であるほどよく機能するのだという。

現在よりはるかに高速で宇宙船を宇宙に送り込むことを目指すプロジェクトはほかにもある。米国カリフォルニア州にあるポジトロン・ダイナミクス社のライアン・ウィードは、2015年10月にWIRED UKが開催した「WIRED 2015」イヴェントで、「反物質ロケット」の開発計画について詳しく語った。「3秒で地球の周りを一周」したり、数週間で火星に到達したりできるロケットだ。

ウィード氏の唱える反物質ロケットは、陽電子と電子が衝突してエネルギーが生み出される現象「対消滅」を起こして、宇宙船の原動力にする。最大で時速1億1,600万kmの速度に達することができるという。

ウィード氏は、地球から最も近い(4光年の距離にある)恒星系ケンタウルス座アルファ星に到達することも夢ではないと語る。従来の技術を利用すると、ケンタウルス座アルファ星に行くには3万年の月日が掛かる。

※以下の動画は、ポジトロン・ダイナミクス社とウィード氏を紹介している。各惑星の軌道を回る基地から高エネルギーのプラズマビームを放射し、宇宙船を推進・減速させる磁気ビーム・プラズマ推進も研究されている(日本語版記事)。



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2016年に完成予定の「アジアの超高層ビル」5つ

  • 1

    1/5平安国際金融中心(中国):深圳市に建設中のオフィス専用高層ビル。完成すれば、ドバイの「ブルジュ・ハリファ」に次いで世界第2位の高さ(総高599m)となる。

  • 2

    2/5高銀金融117(中国):天津市に建設中の超高層ビル。その名の通り地上117階建てになっており、ビル本体の地上からの高さを示す軒高は約597m。

  • 3

    3/5ロッテワールドタワー(韓国):ソウル市で建設中の多目的ビル。完成時の高さは555mを予定しており、韓国で最も高いビルとなる。オフィスのほかに、7つ星ホテルや商業施設などが入居予定。

  • 4

    4/5CTF金融センター(中国):オフィス、住居、ホテルなどからなる多目的ビル。広州市に建設中で、完成時の高さは530mを予定している。

  • 5

    5/5武漢中心(中国):高さ438m、地上88階建て。曲線を描く外部構造は、船からインスピレーションを得ているのだという。

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平安国際金融中心(中国):深圳市に建設中のオフィス専用高層ビル。完成すれば、ドバイの「ブルジュ・ハリファ」に次いで世界第2位の高さ(総高599m)となる。

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高銀金融117(中国):天津市に建設中の超高層ビル。その名の通り地上117階建てになっており、ビル本体の地上からの高さを示す軒高は約597m。

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ロッテワールドタワー(韓国):ソウル市で建設中の多目的ビル。完成時の高さは555mを予定しており、韓国で最も高いビルとなる。オフィスのほかに、7つ星ホテルや商業施設などが入居予定。

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CTF金融センター(中国):オフィス、住居、ホテルなどからなる多目的ビル。広州市に建設中で、完成時の高さは530mを予定している。

  • 5

武漢中心(中国):高さ438m、地上88階建て。曲線を描く外部構造は、船からインスピレーションを得ているのだという。

東洋世界は“直立した”2016年を準備している。少なくとも、建築的観点からみれば。

中国と韓国では、今後12カ月以内に5つの超高層ビルが完成する予定だ。どれもドバイのブルジュ・ハリファの世界首位と、その高さ829.8mを超えることはない。しかし、これらの建物のいくつかは、すぐにギネス世界記録に加わることができるだろう。

中国・深圳の平安国際金融中心を迎え入れる巨大な塔は、「世界で最も高いオフィス専用ビル」の肩書きを、ニューヨークのワン・ワールド・トレード・センター(アメリカ同時多発テロで崩壊した世界貿易センタービルの跡地に建てられたビル)から奪うこととなる。材料の安全性の問題が原因で、2013年に建設が一時中断されたこの建物だが、完成すれば100以上の階と、総高599mを誇ることなる。

同じく中国の天津では、高銀金融117がオープンする予定だ。高さは597mに達し、頂上にはダイヤモンド型の巨大なドームがそびえ立つことになる。

銅メダルは韓国のものだ。555mの高さをもつロッテワールドタワーは、この国で最も高い建物となるだろう。商店やオフィスだけでなく、7つ星ホテルも入居することになっており、10月までには完工する予定である。

トップ5を締めくくるのは、中国にそびえ立つことになる2つの建築だ。ひとつは広州のCFTファイナンス・センター(530m)。もうひとつは、華東建築設計研究院有限公司(ECADI)が設計を担当し、船の世界からインスピレーションを得た曲面の外部構造をもつ武漢センタータワー(438m)だ。

関連記事「外骨格」が、中国の超高層ビルを支えている



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